【秦野市】「光と影の華麗なる世界」の全貌を辿る。鶴巻温泉駅近くの宮永岳彦記念美術館で「宮永岳彦の芸術」展が開催中です。

小田急線鶴巻温泉駅から徒歩2分の場所にある秦野市立宮永岳彦記念美術館にて、現在、企画展「宮永岳彦の芸術」が開催されています。会期は2025年12月13日(土)から2026年6月7日(日)までとなっています。

宮永岳彦(1919〜1987)は、「光と影の華麗なる世界」と称される美しい女性像を描いた洋画家として広く知られています。しかし、その活動は油彩画だけにとどまりません。本展では、彼が手掛けたポスター、雑誌の表紙、装丁、童画、水墨画など、極めて幅広い分野の作品が年代順に紹介されており、その多才な表現活動を客観的に見渡せる構成となっています。

特に注目すべきは、宮永がグラフィックデザイナーとして最も活躍した1960年代当時の作品群です。当時は広告や出版物などの「商業美術」が、「純粋芸術」に比べて軽視されがちな風潮にありましたが、宮永はどの分野の作品にも真摯に向き合い、圧倒的な功績を残しました。展示されている1952年の松坂屋のポスターや、1967年の『週刊漫画TIMES』の表紙原画、さらには小田急電鉄の観光ポスターなどは、当時の社会の中で芸術がどのような役割を果たしていたかを物語る貴重な資料でもあります。

宮永岳彦と秦野市との縁は深く、彼は1946年から約15年間にわたり、秦野市名古木の私邸兼アトリエで創作活動を続けていました。二科会の理事長も務めるなど、日本の美術界において重要な地位を築いた後も、この地での経験が彼の芸術の基盤の一つとなったことが伺えます。

会場となる美術館は、公衆浴場「弘法の里湯」に隣接しており、観覧料は一般300円ですが、同浴場を利用された方は200円の割引料金で入場可能です。また、高校生以下や障害者手帳をお持ちの方(および介護者1名)は無料となっており、幅広い世代が気軽に地域の文化に触れられる環境が整っています。

開館時間は午前10時から午後7時まで(入館は午後6時30分まで)と比較的遅くまで開いているため、仕事帰りや駅周辺での散策のついでに立ち寄ることも可能です。休館日は月曜日(祝日の場合は翌日)となっています。
一人の芸術家が「美しいものを描くことで社会の役に立ちたい」という願いを胸に、生涯を通じて描き続けた多様な作品。それらを一度に鑑賞できるこの機会に、静かな展示空間で地域の芸術文化に親しんでみてもいいのではないでしょうか。
- 住所
- 神奈川県秦野市鶴巻北3-1-2
- 最寄り駅
- 小田急線鶴巻温泉駅
- 電話番号
- 0463-78-9100
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※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。






